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小林よしのり
2018.4.25 02:33メディア

羽鳥モー二ングショーを見て疑問


今日の羽鳥モーニングショーを見て、わしの認識を改め

なければならない情報があった。

テレ朝の女性記者は1年半前から福田事務次官に取材

して、セクハラ発言に耐えられず、身を守るために、

録音したというが、上司に相談して、夜に11

会わないように言われ、それから1年間は会っていなか

ったらしい。

 

これは初めて聞いた情報であり、1年半の期間に何度も

会っていたわけではないようだ。

森友問題以降に、再度、福田事務次官から電話があり、

会いに行ったら、またセクハラ発言だったから、

週刊新潮に隠し録りテープを渡したという流れらしい。

するとくノ一取材というのは見当違いかもしれない。

わしは改めるべきは改める。

 

ただし、次の疑問が湧く。

セクハラ発言が嫌なら、報道で告発する前に、正式に

抗議するべきだろう。

 

【1】 被害者が相手を目の前にして、「あなたの発言は

セクハラだから止めてください」とはっきり言う。

欧米人ならこれはできるはずだ。

ビンタするかもしれない。

【2】テーブルの上に「録音させてもらいます」と言って、

録音機材を置く。

(これはわしの取材でもよくあること)

録音機材の前で、セクハラ発言はできない。

【3】 被害者が「文書」で正式な抗議を相手に出す。

【4】会社が「今後の取材でセクハラ発言を止めて頂きたい」

と申込書を出す。

 

以上のことを実行すれば、加害者が無自覚でやっている

発言を、相手が嫌がってることに気づき、羞恥心を覚え、

反省し、以後、セクハラ発言を止めるかもしれない。

 

なぜ、福田事務次官に「改心のチャンス」を与えなか

ったのか?

なぜ、いきなり「盗聴テープ」を公開・報道するか否か

に話が飛んでしまうのか?

なぜ被害者本人が「Me too」と名乗り出ないのか?

第三者が被害者の情報を小出しにしても、情報の信憑性を

どうやって確認すればいいのか?

さっぱり分からない。

 

被害者本人が記者会見で答えれば、その表情、その言葉、

その態度も含め、総合的に判断できる。

名乗り出たらネットなどで中傷が飛び交い、二次セクハラ

を受けると言うが、その理屈がわしには全く説得力がない。

ネットによる中傷なんて、今後も未来永劫、続くことじゃ

ないか!

そんなものを恐れてどうする?

特にジャーナリストは、たかがネットの中傷などに怯えて、

社会正義のために戦うことが出来るのか?

このヘタレな様子を見ていると、伊藤詩織氏の行動が

いかに凄かったかということだけが再認識される。

以上の疑問を羽鳥モーニングショーに伝えておく。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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